『コンテンポラリー・アート・セオリー』

『コンテンポラリー・アート・セオリー』

現代アートにおいて、いま何が議論されているのか。「キュレーション」「制度批判」「関係性の美学とその後」「ドキュメント」「ポスト=メディウム」「パフォーマンス/パフォーマティヴィティ」の6つのキーワードから、2000年以降の現代アートの理論を重層的に読み解く。
編=筒井宏樹  著=石田圭子/エレナ・フィリポヴィッチ/奥村雄樹/河田亜也子/沢山遼/星野太
0|introduction|2000年以降のアート・セオリーと日本|筒井宏樹
1|curation|〈態度が形になるとき〉展によせて|ハラルド・ゼーマン[翻訳:河田亜也子]|ハラルド・ゼーマン展覧会紹介[構成:河田亜也子]
2|Institutional Critique|作家たちによる制度批判:〈ドクメンタ5〉をめぐる抗議文|河田亜也子
3|Relational Aesthetics and After|ブリオー・ランシエール論争を読む|星野太
4|Document|生政治と他者の倫理:アート=証言|石田圭子
5|Post-Medium|ポスト=メディウム・コンディションとは何か?|沢山遼
6|Performance/Performativity|もうひとつの伝統(The Other Tradition)|エレナ・フィリポヴィッチ[翻訳:奥村雄樹]
身勝手な付け足し(もうひとつの結び)|奥村雄樹

薄い割に結構な値段がするのだが、筒井によるイントロダクション「2000年以降のアート・セオリーと日本」からして良い補助線になっている。理論の更新よりも先に、日本において現状を共有することこそ必要であるという立場のようだ。このあと読み進めるのが楽しみだ。