2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ハンナ・アーレント

座談会の出席者たちは、いわゆる「在特会」の「朝鮮人は死ね」といったヘイトスピーチの主張に、かつてハンナ・アーレントがユダヤ人虐殺の中心人物であったアイヒマンについて語った「凡庸な悪」を見いだす。そして、深みのない「凡庸な悪」であるからこそ…

堤清二死去

訃報 : 堤清二さん死去…セゾン元代表、作家「辻井喬」− 毎日jp(毎日新聞) 流通大手セゾングループ元代表で、「辻井喬(つじいたかし)」の筆名で作家・詩人としても活躍した堤清二(つつみ・せいじ)さんが25日午前2時5分、肝不全のため東京都内の病院…

アンドルー・ゴードン『ミシンと日本の近代 消費者の創出』

ミシンと日本の近代―― 消費者の創出作者: アンドルー・ゴードン,大島かおり出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 日本の家庭に入った第一号ミシンは、ジョン万次郎の母親への土産物だった。そし…

『天才・菊池寛 逸話でつづる作家の素顔』

天才・菊池寛 逸話でつづる作家の素顔 (文春学藝ライブラリー)作者: 文藝春秋,文芸春秋=出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/10/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る文春学藝ライブラリーが創刊された。文藝春秋設立90年の記念事業のよ…

千葉雅也『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』

動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学作者: 千葉雅也出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る『現代思想』誌の1月号は「ポスト現代思想」特集だという。千葉が本書で言及し…

鈴木博之『庭師 小川治兵衛とその時代』/重森千逭『日本の10大庭園』

庭師 小川治兵衛とその時代作者: 鈴木博之出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2013/05/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 日本の10大庭園 (祥伝社新書)作者: 重森千?出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/09/02メディア: 新書この商…

湯浅学『ボブ・ディラン ロックの精霊』

本を読む行為を日々続けていればとんでもないものに出会うことができる。 そう実感させてくれたのが、本書『ボブ・ディラン』だ。ボブ・ディラン――ロックの精霊 (岩波新書)作者: 湯浅学出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/11/21メディア: 新書この商品を…

かぐや姫の物語/夢と狂気の王国

高畑勲における面白さは、既に一般的なものではなくなっているのではないか。つまり、面白さとは、突飛なこと、目新しいことに使われがちな言葉だ。新作において高畑は、丁寧なものの積み重ねこそが面白さに成り得ることを示そうとしたのではないだろうか。…

ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展

11月9日[土]−12月23日[月・祝] 戦後美術の坩堝であった読売アンデパンダン展が崩壊した1963年、三人の若き前衛芸術家(高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之)によって、ハイレッド・センターは結成されました。安保闘争後、高度経済成長の道を邁進する1960年代の…

ちきりん『「Chikirinの日記」の育て方』

「Chikirinの日記」の育て方作者: ちきりん出版社/メーカー: ちきりんブックス発売日: 2013/11/26メディア: Kindle版この商品を含むブログ (14件) を見るちきりんさんのブログはRSSに登録して愛読してきた。読み始めて3年ぐらいになるだろうか。書いてる内…

フィオナ・タン エリプシス

行った展覧会は記録しておこうということで少し前になるが、フィオナ・タンの「エリプシス」。 金沢21世紀美術館には初めて行ったのだけれど建築はやはり興味深く、円形の建物の周りは芝生になっていて、訪れた昼のタイミングでは子供たちがダンスの練習を…

Bully

Bully(追いつめられて 〜アメリカ いじめの実態〜) 全米各地でいじめの被害に遭っている子どもたちの姿を学校や家庭で記録し、大きな反響を呼んだドキュメンタリー映画の前編。 アイオワ州に住む12歳の少年アレックスはコミュニケーションをとるのが苦手…

艾未未は謝らない

彼の来歴を知るために役に立つ。父・艾青、母との関係、20代のアメリカ生活、30代以後の中国での生活。総ざらいをしてくるから、艾について何も知らなくても2時間座っていれば知識は身についているだろう。ユーモアのある飼い猫との出だし、子供のこと…

石田徹也展「ノート、夢のしるし」

石田徹也展「ノート、夢のしるし」に行ってきた。 開催した足利市美術館は近いわけではなく、行くまでに鈍行で3時間かかった。駅に着いたのが16時で、閉館まで残り2時間しかない。ツイッターの評判に押され急遽最終日に観に行った。美術館内は人でごった…

中原浩大 自己模倣

すばらしかった。感情だけでものを言うのは憚られるが、それでも尚すばらしかったというべきだろう。味わい尽くした。 容易に判断を下そうとすればポストモダン以後関係性の美学的な作品として、自立よりも作品という概念自体に疑念を示しオルタナティブを目…

六本木クロッシング「アウト・オブ・ダウト」

全体の感想としてはつまらなかった。東日本大震災/原発事故以後の文脈における展示を目指したのは伝わってくるが如何せんあいちトリエンナーレを観てしまっている。そうすると、この展示ではあまりにも弱い。比べる必要はないと言われればそうなのだ。でも…

テレビ1

(2013年12月) ETV特集「寺山修司という宇宙 園子温×穂村弘」 寺山修司。没後30年たった今でも、街にはその言葉があふれ、日本各地の劇場でその作品は上演され続けている。衰えるどころか、さらに加熱する人気…寺山の創作活動の根幹にはどんな秘…

加茂克也展 100HEADPIECES

入口の思考の素材を見せられれば似たような原初の煌き的コラージュ群像の一連になると思いきや大きな空間に移動するとスクリーンには過去に参加したランウェイの映像、右に向かうと圧巻のヘッドピース。頭の中と実作がバランスよく配置されているのは、絶命…

あいちトリエンナーレ2013

あいちトリエンナーレは、今年8月10日〜10月27日までの約2ヶ月愛知で開催されていた国際的なアートの祭典だ。前回は2010年に開催され、キュレーションは建畠晢(当時:国立国際美術館館長、現:埼玉県立近代美術館館長)が担当した。今回のキュ…

上岡龍太郎と笑いの系譜

上岡龍太郎 話芸一代作者: 戸田学出版社/メーカー: 青土社発売日: 2013/09/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見るこの本、読了しました。上岡龍太郎について恐らく初めてのまとまった形の評伝になっています。 本自体の内容は知ってることが…

アート1

第56回ヴェネツィア・ビエンナーレのディレクター発表 2015年のヴェネツィア・ビエンナーレのディレクターにオクウィ・エンヴェゾーが任命された。 オクウィ・エンヴェゾーは1963年ナイジェリア生まれ。ポスト植民主義や政治的な問題などを扱った展覧会を数…