12/30ー1/01

オールザッツ漫才毎日放送)、最高。テレビ観てこんなにゲラゲラ腹から笑ったのは久しぶり。全体が誰かの意志によって統一されていると視聴者が感じないことはたとえ実際がそうであっても幸せで、笑いにおいては重要なんだと思った。抜けがあるのに弛緩せずずっと笑っていられる。となりのトトロのコントをしたコンビ、宇都宮まきの繋ぎのギャグなど、本当に面白かった。土肥ポン太はぶっちぎっていたし、RGのスティーブ・ジョブズのネタもいけていた(HGへの感謝もウルっときた)。お笑いをやるならこれぐらいずば抜けて楽しいことをしてほしい。

三谷幸喜のドラマ『大空港2013』を見た。面白かった。ワンカット撮りがうまく機能していないと評されたりもする三谷演出だけど、俺は嫌いではない。役者たちの持続する演技は感情の起伏をありありと見せてくれて、ひきつけられた。映画だと「オールスターキャスト」という看板のもと個が埋没しちょい役にしかならないが、このドラマでは大人数が出演しているものの一人ひとりが複雑な事情を抱え、それがラストに主人公が結婚したいと決意するまで(まだオチがあるのだが)にうまくつながっていく。笑えた。楽しかった。三谷氏は、もっとドラマをやってほしい。

井上陽水のドキュメントを見た。アルバム『氷の世界』を発売したのが25歳の時だったとのこと。すげえ。谷村新司が「50年に一度出るか出ないかのアルバムだ」と評していた。こんな素直に屈託なく他人を褒めることができるのだろうか(それも高齢になってから)。かなりかっこいい。

・沖縄問題は追っていなかったのでさっぱりわからない。佐藤優が琉球新報と沖縄タイムスの社説を引用していて、知事の辺野古移設容認について沖縄世論が怒っていることがよく伝わってきた。

・国では来年から「『ファブ社会』の展望に関する検討会」が始まるそうだ。文化庁からは「諸外国の文化政策に関する調査研究」がでている。

・「関西ニューウェーブ」の一翼を担った大阪の番画廊が閉鎖との報。ギャラリーの役目も時代と共に変わってきているのか。一方、「人間と物質」展再展示計画が進んでいるとのこと。やはりこういう一大事には話がややこしくなるものだと思うが、ええいままよ!と文脈意識せずとりあえずやってみることはできないものか。文脈はあとからついてくるということにしないと、実現が遠のいてしまうのだと思う。再展示の意義はかなりあると思う。なんせみてみたい。

・熊谷晋一郎氏には興味を持ってきた。インタビューが掲載されており、「リハビリを行っていた当時もなぜかゾクゾクする感覚がありました」という吐露など、面白い。もっと知ってみたい。協業がいかに図れるか、など。

・「ジャパゾン」など、電子書籍についていくつかニュースのあった年の瀬、国立国会図書館も配信とのこと。長尾館長の時代から攻めてる印象。ニューヨークの書店の報告は興味深い。「dropout」という動画メディア動き出してもいるようだ。「ポスト戦後思想研究会」がウェブ上で思想誌をはじめるとのこと。出版物売り上げは、約30年前の水準に。2014年に新しくパブリック・ドメインに追加された作家たち。ネットのメディア「みんなのミシマガジン」では、森田真生氏の連載が始まった。

・今年は大島渚が亡くなり、追って監督した映画をよくみた年だった。そんな彼のドキュメンタリー「キョート・マイ・マザーズ・プレイス」がDVD化されるという。大滝詠一さんが、この押し迫った段にきて亡くなられた細馬宏通さん内田樹さんらが原稿を公開しておられ、渋谷陽一がコメントを発表している。分母分子論についてのエントリはこちら細野晴臣さんが協力してソロアルバム制作の予定があったとのこと。残念すぎる。ネルソン・マンデラ大島渚中坊公平富田倫生高野悦子ルー・リード今年もたくさん亡くなられた。

・年末のHDD番組消化をしていく中で、とんでもない番組に出会った。「YOU」の篠山紀信ゲストの回と、村上龍ボブ・ディランのファンの証言を訪ねる番組。

紅白歌合戦の「あまちゃん」特集は感動した。細馬さんが早速更新してらっしゃる。ここに詳しい。 

・染織家・志村ふくみさんのドキュメンタリーがNHKで。奈良を訪れる、求めたものは奈良国立博物館の「綴織當麻曼荼羅」、1200年以上前の綴織り。