ドキュメンタリー

再放送の「YOU いまカメラマンをめざす君たちに」

キューティー&ボクサー

オリバー・ストーンのもうひとつのアメリカ史

林美雄 空白の3分16秒

ホームレス理事長

「うん、ある」と言ってみるか

甲子園ホテルの想い出

巨大建築に魅せられた男〜エッフェル塔

桂文枝 記憶なき父

誇りをかけて、思い出を洗う  クリーニング師・古田武

Bully

探検こそが、人生を彩る  チーズ農家・吉田全作

夢と狂気の王国

高畑勲、「かぐや姫の物語」をつくる(WOWOW

井上陽水 ドキュメント「氷の世界40年」

広島太郎を探して

革新への情熱、未だ衰えず  起業家・坂本孝

記憶は愛である〜森崎東・忘却と戦う映画監督


人生を込めて、そばを打つ  そば打ち職人・高橋邦弘
パリの新風、一針の美学  テーラー鈴木健次郎
ハロー・グッバイの日々〜音楽プロデューサー佐久間正英の挑戦〜
原発アイドル
父はスパイではない!――革命家・伊藤律の名誉回復



シュガーマン


マイク・ミルズうつの話


ひも芸人の生きる道〜格差婚物語〜
花のない花屋〜注文する客それぞれの事情〜

僕たち女の子

“遊び心”、世界を制す  プロデューサー・石原恒和
what's 文楽?受け継がれる300年の伝統 NONFIX

情熱大陸 古沢良太
フィルムがなくなる!デジタルが変える映画のミライ! NONFIX

受け継がれる心とカタチ 狂言和泉流宗家 NONFIX

突きつめたものにこそ、魅力は宿る  模型会社社長・宮脇修一
いのちの色で、糸を染める  染織家・志村ふくみ

筑紫哲也 明日への伝言 「残日録」をたどる旅
花のない花屋〜注文する客それぞれの事情〜
ひも芸人の生きる道〜格差婚物語〜
見える障害のあなた 見えない障害の私 熊谷晋一郎 NNN
こちら熊本県庁 「チームくまモン」 …その“ゆるくない”戦略 NNN
ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか NNN
ギャルママ、つながる。 NNN

12/30ー1/01

オールザッツ漫才毎日放送)、最高。テレビ観てこんなにゲラゲラ腹から笑ったのは久しぶり。全体が誰かの意志によって統一されていると視聴者が感じないことはたとえ実際がそうであっても幸せで、笑いにおいては重要なんだと思った。抜けがあるのに弛緩せずずっと笑っていられる。となりのトトロのコントをしたコンビ、宇都宮まきの繋ぎのギャグなど、本当に面白かった。土肥ポン太はぶっちぎっていたし、RGのスティーブ・ジョブズのネタもいけていた(HGへの感謝もウルっときた)。お笑いをやるならこれぐらいずば抜けて楽しいことをしてほしい。

三谷幸喜のドラマ『大空港2013』を見た。面白かった。ワンカット撮りがうまく機能していないと評されたりもする三谷演出だけど、俺は嫌いではない。役者たちの持続する演技は感情の起伏をありありと見せてくれて、ひきつけられた。映画だと「オールスターキャスト」という看板のもと個が埋没しちょい役にしかならないが、このドラマでは大人数が出演しているものの一人ひとりが複雑な事情を抱え、それがラストに主人公が結婚したいと決意するまで(まだオチがあるのだが)にうまくつながっていく。笑えた。楽しかった。三谷氏は、もっとドラマをやってほしい。

井上陽水のドキュメントを見た。アルバム『氷の世界』を発売したのが25歳の時だったとのこと。すげえ。谷村新司が「50年に一度出るか出ないかのアルバムだ」と評していた。こんな素直に屈託なく他人を褒めることができるのだろうか(それも高齢になってから)。かなりかっこいい。

・沖縄問題は追っていなかったのでさっぱりわからない。佐藤優が琉球新報と沖縄タイムスの社説を引用していて、知事の辺野古移設容認について沖縄世論が怒っていることがよく伝わってきた。

・国では来年から「『ファブ社会』の展望に関する検討会」が始まるそうだ。文化庁からは「諸外国の文化政策に関する調査研究」がでている。

・「関西ニューウェーブ」の一翼を担った大阪の番画廊が閉鎖との報。ギャラリーの役目も時代と共に変わってきているのか。一方、「人間と物質」展再展示計画が進んでいるとのこと。やはりこういう一大事には話がややこしくなるものだと思うが、ええいままよ!と文脈意識せずとりあえずやってみることはできないものか。文脈はあとからついてくるということにしないと、実現が遠のいてしまうのだと思う。再展示の意義はかなりあると思う。なんせみてみたい。

・熊谷晋一郎氏には興味を持ってきた。インタビューが掲載されており、「リハビリを行っていた当時もなぜかゾクゾクする感覚がありました」という吐露など、面白い。もっと知ってみたい。協業がいかに図れるか、など。

・「ジャパゾン」など、電子書籍についていくつかニュースのあった年の瀬、国立国会図書館も配信とのこと。長尾館長の時代から攻めてる印象。ニューヨークの書店の報告は興味深い。「dropout」という動画メディア動き出してもいるようだ。「ポスト戦後思想研究会」がウェブ上で思想誌をはじめるとのこと。出版物売り上げは、約30年前の水準に。2014年に新しくパブリック・ドメインに追加された作家たち。ネットのメディア「みんなのミシマガジン」では、森田真生氏の連載が始まった。

・今年は大島渚が亡くなり、追って監督した映画をよくみた年だった。そんな彼のドキュメンタリー「キョート・マイ・マザーズ・プレイス」がDVD化されるという。大滝詠一さんが、この押し迫った段にきて亡くなられた細馬宏通さん内田樹さんらが原稿を公開しておられ、渋谷陽一がコメントを発表している。分母分子論についてのエントリはこちら細野晴臣さんが協力してソロアルバム制作の予定があったとのこと。残念すぎる。ネルソン・マンデラ大島渚中坊公平富田倫生高野悦子ルー・リード今年もたくさん亡くなられた。

・年末のHDD番組消化をしていく中で、とんでもない番組に出会った。「YOU」の篠山紀信ゲストの回と、村上龍ボブ・ディランのファンの証言を訪ねる番組。

紅白歌合戦の「あまちゃん」特集は感動した。細馬さんが早速更新してらっしゃる。ここに詳しい。 

・染織家・志村ふくみさんのドキュメンタリーがNHKで。奈良を訪れる、求めたものは奈良国立博物館の「綴織當麻曼荼羅」、1200年以上前の綴織り。

思想書では、11月に行われた高崎経済大学におけるシンポジウム「現代思想の源泉としてのキルケゴール ──生誕200周年記念ワークショップ」は来年1月末に「現代思想」誌で特集が組まれることになっている。千葉雅也の博士論文をもとにした『動きすぎてはいけない』が発売され、クァンタン・メイヤスー、グレアム・ハーマンらを中心とした「ポスト・ポスト構造主義」に注目が集まっている。

アートの分野では「関西ニューウェーブ」の作家・中原浩大による久しぶりの大規模な個展「中原浩大 自己模倣」岡山県立美術館)が注目を集めたアンドレアス・グルスキーフランシス・アリスなど注目の海外作家の個展が相次いだ。工藤哲巳、桂ゆき、福田美蘭ハイレッド・センターの再評価や、「ルネサンスの三巨匠」であるミケランジェロダ・ヴィンチラファエロの展示が行われ、「貴婦人と一角獣展」、フランシス・ベーコンアントニオ・ロペス、カイユボット、ターナー、ジョセフ・クーデルカなどの展示もあった。
狩野山楽・山雪」(京都国立博物館)、「當麻寺 −極楽浄土へのあこがれ−」(奈良国立博物館)、洛中洛外図屏風が展示された「京都展」東京国立博物館)、円山応挙白隠など日本への注目も高かった。フランシス・ベーコン展、「夏目漱石の美術世界展」東京藝術大学美術館)や、「日本の民家一九五五」展(汐留ミュージアム)、植田正治没後百年の展示も(東京都写真美術館東京ステーションギャラリー)。識者のベストはこちら

磯崎新が海市以来の展覧会をICCで開催中だ。橋下徹市長のもと、芸術への助成が問われもした。論集『写真と文学ー何がイメージの価値を決めるのか』が編まれ、黒瀬陽平『情報社会の情念―クリエイティブの条件を問う』が発売された。四谷アートステディウムの閉校騒動では、書名を集めるブログや、「芸術教育」自体を問うサイトが組織された。建築史家の五十嵐太郎が芸術監督を務めた「あいちトリエンナーレ」は絶賛を浴びたが、地元紙・中京新聞とのあいだでは、座談会に対する意見表明がなされた。堤清二が亡くなり、セゾン現代美術館では昨年没した宇佐美圭司の個展(「ART TRACE PRESS 2」に詳しい特集)が開催。H. U. オブリストによるインタビューをまとめた『キュレーション』アール・ブリュットの論集が発刊。

ファッションデザイナーの山縣良和(writtenafterwards)は「絶命展」(パルコミュージアム)を企画し、国立新美術館ショー(新美編)を行った。共著『ファッションは魔法』(アイデアインク)を坂部三樹郎(mikio sakabe)と出版した。

建築では、槇文彦が『漂うモダニズム』を発刊。『形の合成に関するノート/都市はツリーではない』が再刊。国立近現代建築資料館が動き出した。

演劇では、『演劇最強論』が編まれ、チェルフィッチュの「地面と床」が好評を呼んだ。平田オリザ『新しい広場をつくる――市民芸術概論綱要』を著した。鴻英良が提起し、日本映画大学の政治活動への誓約書問題があった。フェスティバルトーキョーのディレクター交代にあたっては、疑問の声を投げかける人々があらわれ、取材がなされた宮本亜門神奈川芸術劇場芸術監督をやめることに。

映画では、スタジオジブリが『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』を公開し、二作を取り仕切った宮粼駿と高畑勲の最後の監督作と言われている。制作風景は、ドワンゴ川上量生プロデュース、砂田麻美監督のドキュメンタリーになった。『風立ちぬ』は様々な論者が感想を表明し、岡田斗司夫ニコ生で行った解説を本にまでしたタランティーノが黒人奴隷による復讐劇を描いた『ジャンゴ 繋がれざる者』、ギレルモ・デル・トロパシフィック・リム』、アルフォンソ・キュアロンゼロ・グラビティ』が注目された。邦画では園子温による『地獄でなぜ悪い』、『凶悪』、是枝裕和そして父になる』、沖田修一横道世之介』が話題を集めた。テレビドラマでは、森山未來尾野真千子が共演した『夫婦善哉』、『ラジオ』、宮藤官九郎の脚本による『あまちゃん』がヒットした。

音楽書はこちらでまとめている方がいらっしゃった。